外国人採用で『CQ(異文化適応能力)』がポイントとなる3つの理由

外国人採用が加速する今、採用時の人物の見極め方法や採用後の短期離職率などに頭を悩ませている人事担当者が多くなっています。

そこで今回は、外国人採用のポイントとなる『CQ(異文化適応能力)』についてご紹介します。

 

外国人採用のポイントは『CQ』へ

企業の海外進出や外国人人材の採用が進む中、IQ、EQに続き、グローバルに活躍できる能力として「CQ」が注目を集めています。

まずはそれぞれの意味を見て見ましょう。

IQ・・Intelligence Quotient (知能指数)

知能の水準あるいは発達の程度、様々な状況や環境に合理的に対処していくための土台となる能力

EQ・・Emotional Intelligence Quotient (感情指数)

自分や他人の感情を感じ取り、自分の感情をコントロールして適切な行動をとる能力

CQ・・Cultural Intelligence Quotient(文化指数)

多様な文化的背景の中で自身を効果的に機能させる能力、文化の違いを超えて円滑にコミュニケーションを図る能力

 

外国人採用のポイントとなる『CQ』の定義とは

CQは以下の4つの能力を構成材料として成り立ってると言われています。

1. 動機 … 文化的多様性や自己実現に喜びを見出すことができる興味、関心、自信に関する領域。

2. 知識 … 複数の文化間の類似点と相違点に関するビジネスや文化、宗教等の知識を問う領域。

3. 戦略 … 文化的に多様な経験を理解する異文化間の交渉でのプランニング力、調整力を問う領域。

4. 行動 … 言語的行動、非言語的行動を文化的文脈に適応させる力を問う領域。

このCQは、外国人採用において非常に大きなポイントとなることが最近の研究でわかってきました。

 

外国人採用において『CQ』がポイントとなる理由

外国人を採用する企業は増加傾向にありますが、それと同時に、日本人採用とは異なる観点での課題が浮上しています。そしてその課題の解決においてCQが重要な役割を果たします。以下の3つのポイントを見ていきましょう。

 

外国人人材の採用時の見極め

日本人を採用する場合、書類や適性検査、複数回の面接など様々な機会で適性を見極めるのに対し、外国人の採用となると、「日本語がどのくらい話せるか」「高い専門スキルを持っているか」の2点に集中している傾向があります。その結果、職場環境に馴染むことが出来ず、期待通りのパフォーマンスが発揮できなかったり、早期退職に至る、といった結果を引き起こすこととなります。

採用時にCQ(異文化適応能力)を測るツールを導入することで、企業、職種、日本のビジネス文化などに対する適応力を見極めることができ、その後の活躍や定着の度合いを推測することができます。

 

外国人人材の異文化適応力~ホフステードの6次元モデル

特に海外で採用し、仕事のために初めて来日するというケースでは、日本そのものへの適応力が大きなポイントとなります。CQが高い人は、異文化に入った時に最初はカルチャーショックを受けたとしても、早い段階で回復し、その文化や環境に順応することができます。

オランダの社会組織人類者、ヘールト・ホフステード博士が確立した「ホフステードの6次元モデル」によると、例えばオーストラリア、日本、米国、ベトナムの4カ国の価値観を比較すると、以下のようなグラフとなります。

CQが高いと、このような価値観の違いを超えて異文化に馴染むことが可能になるのです。

 

外国人人材の日本語適応力

日本語は世界でも類を見ない独特の体系を持つ言語であり、特に非漢字圏の出身者にとって、日本語習得は非常にハードルの高いものです。そのような中、日本語学習においてもCQが大きなポイントとなります。

言語学習において、その習得速度や吸収力に影響を与えるのは、言語が持つ「曖昧さ」や「例外」への許容、そして「間違えること」の許容です。つまり、言語は変化するものでロジックに当てはまらないことや例外もあるし、間違いながら習得するものだ、と受け入れる姿勢です。「この言葉の活用が理解できない、イライラする」「完璧になるまで話したくない!」といった傾向はその逆となります。

CQが高い人は、曖昧さや例外を受け入れ、間違いを恐れる気持ちより、言語はコミュニケーションツールであるという目的にフォーカスすることができます。

 

まとめ

このように、外国人採用時の判断材料としてCQを取り入れることで、企業のパフォーマンスを上げる活躍人材の見極めが可能になります。採用ご担当者は参考になさってください。

 

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